オグリキャップ
昨日、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で番組としては珍しく人間ではなく「馬」を主人公に特集を組んでいた。
オグリキャップといえば、バブル景気の真っただ中、地方競馬から中央競馬に進出し、血統の良い馬が活躍するのが当たり前の競馬の世界にあって、決して良い血統ではなかったにもかかわらず大活躍した伝説の葦毛の馬。
(僕自身あんまり詳しく知っているわけではなかったので、地方競馬出身だったんだぁ…っていう感じで見ていました)
その魅力的な人生、ではなく馬生?の紹介である。
当初、オグリキャップに触れた多くの人が「大した馬じゃない」と感じていた。そのオグリキャップを覚醒させたのはおそらく最初の馬主であろう、という。
決して恵まれた環境で育ったわけではない馬主が、自ら財を成し、馬主となり、まるで我が子に接するように馬のことを思い、毎日のように厩舎に通う。「血統に負けずに走って欲しい」という希望を託して。
ある時、調教中に走る馬特有の重心を落とす走りを見せた時「この馬は走るかもしれない」と感じさせ、その後、中央競馬の馬ではありえないほど多くのレースを走ることで鍛えられた。中には疲れで痩せてしまう馬がいる中、オグリキャップは体重が増えた。
レース以外の時はゆったりしておとなしい馬だったが、レースになると気合いが入る。オグリキャップに騎乗した騎手たちはオグリキャップに「負けたくない」という「意地」を感じたという。
映像を見ていて、鳥肌が立った。ゲートに入る前に武者震いする。まるで相撲取りの「時間いっぱい」の立ち合い前のように。
怪我をきっかけに療養に入り、調子を崩す。中央に戻るも結果が出ず、年末の有馬記念を引退レースにすると決めたが、その有馬記念でオグリキャップは奇跡を起こす。
騎乗した武豊騎手が出走まで「勝てないだろう」と思っていたという。ところが、走り出すと「勝てるんじゃないか」と感じる。
最終の直線、オグリキャップは先頭で駆け抜けた。
なんだかマンガみたいな話だと思う。馬に感動させられたあの有馬記念は平成2年、もう26年も前の話だけれど、あの時の感動を思い出してちょっとウルウルしました。
オグリの子供は重賞には勝っていないんだそうですが、またどこからかそんな馬が出てくるかもしれませんね。地方競馬の厩舎の人たちにも「いつか中央に行ける馬を育てたい」希望、夢を与えた馬。
カッコいいなあ!と感じました。
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