人口の増減による経済への影響
(このブログには小説・映画「インフェルノ」に関するネタバレを含んでいます)
「インフェルノ」という映画をご覧になりましたか?僕は、残念ながら劇場には行けませんでしたが、小説を読みました。「ダビンチコード」などを書いたダン・ブラウンの作品です。ダン・ブラウン作品は現実社会、歴史、史跡、宗教、芸術、科学など様々な要素が作品の中に沢山ちりばめられ、本当に面白いと思います。
そんなダン・ブラウンの最新作が「インフェルノ」です。
舞台はイタリア・フィレンツェから始まります。そして、作品内ではダンテの「神曲」とこの「神曲」に影響を受けボッティチェリが描いた「地獄の地図」という恐ろしい絵が作品の重要な鍵を握っています。
そして、この作品の中で扱っている大きな社会問題があります。それは「人口の急激な増加」です。
日本はすでに人口減少社会になっている話は皆さんご存知だと思います。少子高齢化が進み、現役世代が高齢者をさ支える社会構造はこれからさらに深刻化しようとしています。
こんな日本では世界の人口の推移をあまり現実的に感じられなくなっています。現実には地球規模でみた場合、恐ろしいペースで増え続けています。そして、その人口増加はすでに人の力では制御できなくなっています。
なぜ人口が爆発的に増え不要になったのか。「インフェルノ」の中でその原因の一つに「医学の進歩」があげられています。確かに、年々医学は進歩し、高齢者の平均寿命は延びています。子供の死亡率も減っています。
作品の中で、「ペストの流行により多くの人が死に至ったことは、皮肉にも世界経済に好影響を与えた」という内容のことが書かれています。
聖書の中で描かれる「ノアの箱舟」の話はご存知かと思いますが、そのような大災害により人口が世界規模で減少するようなことが起きない限り、地球の人口は増え続けることになるでしょう。そして、宇宙船地球号の定員はそろそろ限界に達しようとしています。
限界に達するとどうなるか。
懸念される問題に中に、引用可能な水の確保が難しくなる、あるいは食料の消費が生産力を上回る、ということがあります。
そして、作品内ではその時は突然に訪れ、人類は滅亡するだろう、というように書かれています。
人口の爆発的な増加は非常に大きな問題です。
小説「インフェルノ」の結末はショッキングなものでした。(映画も多分同じだと思います)
先日、『国と民間企業が共同して「量子メス」の開発を進める。』というニュースがありました。会見で「ガンによる死者ゼロを目指す」と語られていました。
人の命は限りあるものです。医学が進歩し、長生きできるようになることは悪いことではないのかもしれませんが、人間の行いが自然のバランスを崩し、ミクロの技術進歩による人類への貢献が、マクロ的な観点では破滅に突き進む要因になっている、と感じてしまいます。
人類はどこへ行くのだろうか。その時を自分はどこでどのようにして迎えるのだろうか。考えても答えは出ませんが、世界中の多くの人が「きっとこのままじゃヤバいんだろうなぁ」と感じつつ、明らかに目を背けている現実があるのだろうと思います。
アフリカで生まれた多くの命が疫病などで失われている。あなたの寄付によって「救える命がある」「人道的な支援」を求めている団体などもある。確かに、豊かな生活をしている人たちにとって、その現状は目を覆いたくなるものだけれど、アフリカの人口は世界全体の中でも突出して増加しており、地球上の人口爆発の主な舞台となっている。
こんなことを言うと、いろんな意味で誤解を受けそうですが、すべての人が医療サービスを受けられるわけではない、という世の中にしないと地球というかけがえのない我々のふるさとのシステムが崩れてしまう。
私は仕事で30年、40年先のことまで考えた資産計画をお客様に提案したり、お手伝いする仕事をしていますが、実際には人類はそこまでもたないのかもしれません。
自分にできる「人のために役立つこと」を手の届くところでしっかりと努めつつ、さらに大きなところで地球のために、世界のために何ができるのかこそこそ考えたいと思います。
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