大統領選の後
市場は開票開始まで「クリントン大統領」で織り込んでいた。
開票が始まり、「トランプ優勢」の報が流れ始めると一気に円高方向に振れ始めた。日本の株式市場も一気に下落。1000円以上下げた。株式市場の後場が閉まり、しばらくしてからトランプの当選確実のほうが打たれたため、「今日の株式市場はどうなるのだろう」と思っていた。
外為市場の回復は敏感だった。当確が打たれる直前から円高に振れていた相場が反発し始める。今朝の日本の株式市場が始まる前には、回復どころか開票開始前の水準を超えるまでになっていた。
「トランプ大統領で日本はどうなる」とか「世界はどうなる」といった記事やコラムが今あちらこちらに掲載されている。いろいろな説や持論が展開されていて面白いが、本当にどうなるかわかるのはこれからだろう。
特に日本での報道はトランプの「非常識な」「過激な」発言が強調されて取り上げられていた。もし、そんなことばかりならさすがに大統領に選ばれることはなかっただろう。
外為市場の回復は様々な要素を組み合わせると「そうはいっても期待が持てるところもあるかもしれないぞ」という考えを持つ人が多いという現れだ。
日本の株式市場も外為市場の動きを見て「アメリカ人も悲観より期待しているのではないか」と感じたから、今日の日経平均は朝から昨日の下落分を回復し、昨日の朝の水準に戻したのだと思う。
ここからはど素人的な考えだが、僕なりに今後のアメリカを考えてみたい。
人種差別発言についてはやっぱりいろいろな問題があるだろう。様々な反発を受けるに違いない。
今回の結果はBREXITの時と同じだ。選挙前に聞こえていたクリントン支持者層とトランプ氏支持者層の姿がどうやら少し違っていたらしいこともわかってきた。例えば…
・ 44歳以下はクリントン、45歳以上はトランプ支持者が多い。
・ 高学歴(大卒)はクリントン、高卒まではトランプ。
・ 収入5万ドル未満はクリントン、5万ドル以上はトランプ(これはびっくり)
・ キリスト教徒はトランプ、それ以外の宗教はクリントン(そりゃそうですね)
BREXITでは、EUに入りドイツ、フランスの後塵を拝するようになったイギリスで、「大英帝国時代のように強いイギリス」を復活したい比較的高齢の層が、EU内、あるいはもっと広い世界を相手にグローバルな仕事をしたいと考える若者のEU残留支持を破った。
今回の大統領選挙では「強いアメリカを復活する」と呼びかけるトランプに、強かったアメリカを取り戻したいと考える特に白人キリスト教徒層が強く同調した。
America Firstを掲げるトランプは何をどのように進めるのか。どこかの国に昔いたハトポッポよりはよっぽど何かやりそう予感がする。
そんな期待が今の市場の反応だと思う。オバマ大統領との会談や、これからの発言に注目したい、と思わせるところもこれまで政治に無関心だった人を引き寄せているのではないかと感じる。
0コメント