AIで投資環境が変わる
週末、FP同志の集まり(FPフォーラムの準備のための打ち合わせ)があり、その合間にFP仲間と話をする機会がありました。その中で市場における「AI」の話はとても興味深い話になりました。
最近新聞などでも目にしない日はない「AI(人工知能)」。今後様々な分野でAIが使われるようになり、2045年にはAIの能力が人間を超えるといいます。(日経新聞でも特集していますね)
すでに、一部の分野ではAIが活躍を始めています。
その中の一つ。最近の株式市場やFX市場にはプレイヤーとして「AI」が参入しています。実際、これまでの歴史上見たこともないような値動きがあったりすることもあるようで、「おそらくAI主導の市場反応だったのではないか」というケースが出てきている様子です。
AIは財務状況や業績の分析などはもちろん、報道や影響のある人の発言、膨大なファンダメンタルズを人間では到底できないスケールで網羅し、その結果を投資活動に反映していきます。
さらに、人間が行うと心理的な要因で判断がブレることがありますが、AIはそういうブレがないばかりか、人間は錯覚したり心理的なブレがあることすらも織り込んで市場に参入してくるようになります。そうなると将来の市場における投資活動では人間は到底AIにかなわなくなるでしょう。
何せ、囲碁や将棋でトップ棋士に勝利してしまうようになりましたから。素人プレーヤーではかなうはずがありません。
人間は錯覚する動物です。
自分が持っている株や投資信託、あるいは様々な資産を保有した瞬間に自分が持っているものはきっといいものだと考えるデバイスがかかります。
また、時には少し値が下がった時「きっとすぐに持ち直す」と考え、少し値が上がった時には早めに「利益確定しよう」と考えてしまったりします。そうするうちに売り時を逸してしまったり、利益確定が速すぎた、なんていうことが起こります。
売った途端に値が上がったり、買ったとたんに値が下がると感じることもあると思いますが、それは「たまたま」であったり、冷静に市場を見ていたらトレンドが変わる気配はあったのに冷静さを欠いていたためにサインを見落とした」ということが原因である可能性もあります。少なくとも、よほどの大口投資家でない限り、あなたが売ったから市場が大きく動く、トレンドが変わる、ということはないでしょう。
AIは冷静なプレーヤーとして市場に参入しているはずですが、その一方で、いくつものAIが個別に学習していくわけですが、時折ミスを起こすこともあります。様々なファンダメンタルズを組み合わせ判断する複数のAIが違う答えを出すケースもあるわけです。
あるAIがほかのファンドマネージャーのAIの「クセ」を分析し、その「クセ」をついて判断を誤らせるようなことも起こるのではないかと。
また、アクティブに収益を狙う投資信託のファンドマネージャーをAIが務める、ということも起きると思いますが、そのAIファンドマネージャーの投資スタンスや運用方針などを『目論見書』に起こすことができないというケースもあるのではないか、という気もします。
そのうち、信頼できるAIの名称に対し、まるで競馬で「馬」や「騎手」で馬券を買うように、投資先を決めるようなこともあるのではないかと。
当面の間は、そういうプレーヤーがいるということを念頭に置いて取引する必要があるのではないかと思います。
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