最近話題のキーワード「50歳」。

今週の「週間東洋経済」のタイトル「50歳から増やすおカネ」はまさに僕が考えていたことをそのまま特集していたので興味深いものでした。

50歳でいくらの貯蓄があれば老後は安泰なのだろうか。定年までにいくら作ればいいのか。
このような話はよく聞く話ですが、すべての人に同じ答えがあるわけではありません。

僕は今の会社を立ち上げたときに、自分と同じ世代(僕は48歳、ここでいう50歳はいわゆる「アラフィフと考えてください)が抱えている老後への漠然とした不安を払拭し「ワンダフルライフ」を実現するお手伝いとアドバイスをしたいと考えました。

実際には「老後をどのように過ごしたいのか」すなわち自分なりのワンダフルライフのありかたによって必要な金額が違います。お金のかかる趣味を継続したかったり、今の生活水準が背伸びし気味の人、無駄遣いが多い人の将来必要額は当然増えるはずです。


50歳が抱える現状

加えて今の50歳は10年、20年前のこの年代の人に比べ、結婚年齢が上がり、それに伴って子供がまだ小さかったりするので、教育費負担が60歳でも終わらないとか住宅取得年齢も遅くて60歳でもまだまだ住宅ローンが残るという人も多い。

ここまででも、このままで大丈夫なのか?と不安に感じたりするのではないでしょうか。


50歳が社会に出たころ

今の50歳が社会人になったのは大卒で1989年頃。まさにバブル絶頂期。日経平均が38,957.44円という最高値を付けたのは1989年の年末。不動産価格も1990年まで拡大を続け「不動産神話」を誰も疑うことのない時代でした(警鐘を鳴らす人はいたのでしょうが)。六本木や渋谷のディスコは毎晩多くの人であふれ、「彼女が水着に着替えたら」がヒットし、デートプランにマニュアルがある時代?(車でデートするときのドライブマップなどがたくさんあった)で時代でもありました。

この時期に会社に入り、1,2年でバブルが崩壊。業種によって業績に影響が出始めるのにタイムラグがあったりもしましたが、数年後には給料が下がり始め、世間も「デフレ」に向かい始めます。


社会人になった50歳

その後、ご存知のように経済は低迷し「失われた10年」とか「失われた20年」とか言われる時代が続いてきました。(「失われた20年」の開始年は1991年とすることが多いですが、20年後の2011年になっても人口減少などが影響し景気は好転したとはいえない状況なのは皆さんが感じられている通りです)

総務省が発表している物価指数を見ても、バブルが崩壊した1991年以降の物価はほぼ横ばいを続けていることがわかります。

金利を見ても1980年代には3%以上の金利がついていました。今は1%どころか…0.01%まさに桁が違います。

さすがに、個人レベルではマイナス金利にはなりませんが、これでは金融機関に預貯金として預けていても一向に増えません。


50歳が経てきた経験

バブル崩壊以降、ほぼ一貫して横ばいかデフレで推移してきた時代を生きてきた50歳以降のすべての世代は、インフレになるとどうなるかを肌で感じたことがありません(私もです)。実際に政府と日銀は低金利のままインフレ率を2%まで高めることを目標にしています。インフレが進行、つまり物価が上がると手持ちの現金は相対的に価値が下がります。そのままでは使ってもいないのに資産が目減りしていくということです。しかし、長期金利は0%程度、つまり預貯金ではほとんど増えない状態は継続するということです。

バブル崩壊の後もリーマンショックなど市場の急落などを経験している50歳は「投資」に対し、ネガティブなイメージを持っている人が多い。今も投資経験のない人がたくさんいます。

さらには阪神淡路大震災や東日本大震災などの災害、やがて来ると言われる南海トラフや都心直下を震源とする地震などこれからも日本は地勢的なリスクを抱えている国であるだけに「投資」となると抵抗があるという人も多いように感じます。


50歳のこれから

公的年金や企業年金基金、生命保険会社などは想定通りの運用成績を上げられなくなっていることも社会保障不安の原因の一つでしょう。

しかし、50歳の人はまだ40年ぐらい生きるかもしれません。人生90年ならまだ折り返しを過ぎたばかり。これまで社会人として働いてきた年数よりももっと長い期間をこれから生きるのです。給与収入はあと10~15年でなくなるのに。

政府はインフレ誘導と低金利政策を進める代わりに投資を行うことに対し様々な優遇策を打ち始めています。NISA制度の創設や確定拠出年金の対象者の拡大などです。自分の資産は自分で作りなさい、という政策のようにも感じます。

まだあと定年まで10年、またはそれ以上ある今のタイミングならば打てる手があります。対策は早く着手するほど効果があります。


まずは、自分の現状を把握すること。対策が必要かどうかを知ること。そして、どんな対策を打てるか考えること。今始めなければ手遅れになるかもしれません。


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