不動産業者の立場(両手取引の問題点1)
不動産業における「両手取引」という言葉をご存知でしょうか。
不動産業者は不動産を仲介し契約が成立すると「仲介手数料」を受領します。
仲介手数料の金額は、物件の価格により、宅地建物取引業法で以下金額が「上限」として決められています。
200万円以下 5%+消費税
200万円超 400万円以下 4%+消費税
400万円超 3%+消費税
400万円超の場合には(200万円までの5%)+(400万円までの4%)+(400万円超の3%)を合計するので、速算式として(3%+6万円+消費税)となります。住宅の個人間での取引では物件価格には消費税はかかりませんが、仲介手数料には消費税がかかります。
この金額は、売主様から依頼を受けた業者が売主様から受領する金額、あるいは買主様から依頼を受けた業者が買主様から受領する金額の上限です。
仮に、売主様から依頼を受けた業者が自分で買主様を見つけた場合には、売主様と買主様の双方から手数料を受領することができます。このような形で売主様買主様双方から手数料を受領する取引のことを「両手取引」といいます。
日本では従来から慣習としてこのような取引が認められており、法的には「合法」です。(アメリカなど、海外では両手取引が禁止されている国や地域があります。)
しかしながら、昨今、この両手取引について「問題ではないか」という議論が出始めています。
なぜでしょう。
マイホームを買おうと考えている人は「できれば安く」買いたいと思っているはずです。大事に住んできた家を売る人は「できれば高く」売りたいと思っていると思います。そして双方とも「安全に取引したい」すなわち、売買が成立した後にトラブルが発生して揉めたりしないように取引をしたいと考えているはずです。
不動産の取引というのは一般に方にとっては「一生に一度」の大きなお買い物になると思います。何度も経験し、不動産売買に慣れているという人はほとんどいないでしょう。だからこそ信頼できる不動産業者さんに、お願いするわけです。
ところが、多くの不動産業者ができれば「両手取引」にしたいと考えています。「両手」になれば合わせて6%の手数料を受領できるからです。でも、売主様、買主様はいわば利益相反の関係。本当に大丈夫なのでしょうか。
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