豊洲市場問題

以前に豊洲市場問題に関するブログを書きました。

先日、百条委員会における石原元知事の尋問の様子を見ていて感じることがあったので備忘録的に。

豊洲が築地の後を担う市場として計画されたのは1990年代頃からのようです。当時から築地市場はすでに限界、移転先を早急に考えなければいけないという状況だった。

築地の問題

まず、現在の築地市場にどのような問題があるのか。

・老朽化

現在の築地市場は築80年以上。すでに老朽化が深刻な状況は容易に想像できますが、実際に内部では一部破損したり、けが人が出ているなどという話もあるようです。建物の所有者は「都」であり、建物の管理責任も建物所有者である「都」にあります。
市場内で働かれている人たちや、観光客なども受け入れている施設で事故などが発生し、その建物の老朽化がその原因だった場合は、都の責任が追及されることになります。

・耐震上の問題

東京も含めて地震の可能性が常に指摘されており、耐震対策も必要です。東日本大震災の時にも「想定外」という言葉が使われましたが、間違いなく震度6や7の大地震は想定されます。建物の管理者として放置はできないという状況であることは間違いありませんし、いたずらに先延ばしすることもできない状況です。

・手狭

築地市場の取り扱い量は一時期に比べると減少しているようですが、取扱品目数が増えたこともあり、また、周辺の駐車場の問題など現在の敷地では手狭になっている。

・物流

もともと、築地へは線路が乗り入れ、鉄道による輸送が行われていた。しかし、現在その鉄道は廃止され、物流はほとんどトラックで行われている。渋滞や駐車場の問題、周辺での交通事故なども問題になっている。

・汚染を含め衛生上の問題

築地では大雨が降ると下水が逆流するという話を聞いたことがあります。建物にはアスベストが使われているが、撤去や再整備等の工事をするには工事エリアを封鎖し、アスベストの飛散防止処置などもしなければいけないため、市場を稼働しながら工事することは困難だということです。
さらに、築地市場の敷地の一部は戦後GHQのドライクリーニング工場があり、有機溶剤が使われたため、土壌汚染の恐れがあるが市場の床はコンクリートで固められているから大丈夫、と言われているそうです。でもそれって豊洲でも同じことですよね。

土壌からはヒ素も検出されているという話もあります。


豊洲新市場の構造的な問題

今は土壌汚染の話ばかりが取り上げられ、少し前に話題になっていた豊洲新市場の構造的な問題はすっかり影を潜めています。

・仲卸棟、卸棟、青果棟のアクセスの悪さ
・「狭くてマグロが切れない」「トラックのゲートが開けられない」

などという使い勝手上の問題が取り上げられたり、

・「建物の設計上の構造に問題があるのでは」

という懸念が出たりしていました。(のちに日建設計から懸念する声に対する回答が出されていますが、いろいろな情報があります)


様々な問題があるのはわかります。

でも、僕自身はもういまさら豊洲移転中止はないだろう、と思います。

百条委員会でもその先で結論として何を思い描いているのかわからない、ということです。これまでにつぎ込んだ税金、これからかかる費用などと、実際にでは豊洲は使えないのか、ということを考えた場合、使いないということはないのだろう、と思います。


環境が変わるということは関係者にとって少なからず抵抗があるだろうと思います。でも、冷静に考えると、今の築地のほうが問題だと思います。

でも、新たな豊洲市場には「ミソ」がついてしまいましたが、新市場が稼働し、いつかそれが当たり前になる日が、豊洲が東京の日本の台所と呼ばれるようになる日が来ればいいな、と思います。



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