ファイナンシャルリテラシーを身に着けて自己武装しよう
最近「ファイナンシャルリテラシー」という単語を時々目にします。「金融リテラシー」などとも言いますが、要するに「お金に関する知識」といったところでしょうか。
この「ファイナンシャルリテラシー」、実に幅広いものです。家計管理や運用方法・金融商品(預金、保険、投資信託)の知識、税金(所得税、住民税、相続税、贈与税、不動産に関わる税金や優遇制度に関するものも含め)、あるいはお金に関わる人間心理などまで、書ききれないほど多岐にわたります。
「自己武装」というとちょっと物々しいですが、要するに知識を付けて
1. 損をしないように自分を守る
2. 積極的に知識を活用して資産形成・運用する
の二つの目的に活用できます。
第一段階として、1.の損をしないことについてお話します。
最近は低金利社会が定着し、銀行預金にお金を預けても利息がほとんど付かないことは周知のとおりです。これは、我々一般消費者にとってのみでなく、銀行や証券会社などの金融機関にとっても同じこと。もちろん我々が銀行にお金を預ける金利よりもお金を借りる金利のほうが高いのはもちろんなのですが、それでも昔の様な金利はつきません。
昨年1月29日、日銀はマイナス金利の導入を決定しました。それまでは金融機関が預金として預かっていた資金の少なからぬ部分を日銀に預け、日銀はその資金にプラスの金利を付けていました。しかし、政府、日銀としては世間に流通するお金の量を増やし、2%程度のインフレ目標に物価を誘導することを目的に、ただでさえ安くなっていた政策金利をマイナスにしたのです。(一般には市場に流通するお金が増えればインフレに向かうといわれています)
金融機関は日銀にお金を預けても金利が付かなくなるどころかお金を払わなくてはならなくなりました。 しかし、決して好景気とは言えず、資金需要が急に増えるわけもありません。第一、借り手がいたとしても今はどの金融機関も同じ状況で優良な貸出先獲得のために金利で競争しています。貸してもそんなに高い金利は設定できません。借り手も増えず、金利も高く設定できませんからこれまでの「利ザヤで稼ぐ」収益構造は崩れてしまいます。
低金利の中でこの傾向が出ていた上にさらにマイナス金利導入で、銀行株はこの発表直後大きく値を下げました。
その後メガバンク系の株価は各社ともトランプショックまでその水準を回復できませんでした。
では、その金融機関は今どのようにして収益を確保しようとしているのでしょうか。その収益源の多くを従来の金利で稼ぐ仕組みから、手数料収入にシフトしています。
例えば、今年から個人型確定拠出年金の利用ができる人が増え、投資信託などに対し投資する人がさらに増えると思います。多くの投資信託には手数料がかかります。購入時や管理手数料、商品によっては売却時にも手数料がかかるものもあります。中にはリスクの高いものもあり、また、為替リスクなどの説明もきちんと理解されないまま紹介したりするケースもあるようです。
外貨預金では為替手数料がかかります。ドル建ての定期預金をしようと思うとドル建てにするときに1円、円に戻すときに1円、往復で2円の手数料がかかります。仮に115円の仲値だとすると116円で買って、戻すときは114円。1.7%もの手数料を取られることになります。
ATMの手数料、時間外手数料、振込手数料、住宅ローンを借りるときにも手数料、など様々な場面で手数料を得、これが重要な収益源になっているのです。普通預金の金利は現在大手銀行で0.001%。金利を100円得ようと思ったら1000万円を1年間預けておかなければいけません。一回手数料を払ったらあっという間に金利分は飛んでしまいます。
銀行も営利企業であり、必死に収益を確保しようとしているのはわかります。だからこそ、我々が金融リテラシーを身に着けることで本質を知り、かけてもよい費用とかける必要のない費用、価値のある費用と価値のない費用を選別する必要があります。
例えば、先ほどの確定拠出年金をこれから始めるために口座を開設し、商品の説明を読み、納得して購入・投資しようと考え、その仕組みなどを勉強する人はその分だけファイナンシャルリテラシーが高まります。
金融機関は先ほどお話したような状況ですから、知識のない人に手数料の多く取れる商品を勧め、利益を稼ごうとします。
こんな時代だからこそまず自分を守るための「ファイナンシャルリテラシー」を身につけましょう。全部いっぺんに学ぶことは不可能です。身近なところから一つずつ学んでいきましょう。
日本人はお金のはなしをするのが苦手だと言われています。お金のはなしを「下品な話」「汚い話」「悪い話」のように感じる人も少なくありません。しかし、お金のはなしを避けているとこういう情報を得るときも苦労します。
弊社では1月22日に「おかねの話をしよう」というイベントを開催予定です。
集まった人たちでざっくばらんに「お金にかかわる」話をしようという企画です。テーマも「お金にかかわる話」というだけで特に制限はありません。
その場で解決できなかった話は僕が宿題として預かり後日回答します。
なんとなく感じている「おかねの話」への抵抗感を払拭し、気軽に話ができる機会を作ろう、というのが狙いです。
まだ空席があります。是非ご出席ください。お待ちしています。
西山ライフデザイン新春特別企画
「おかねの話をしよう」
日時:2017年1月22日14:00~会場:西山ライフデザイン(東京都大田区南雪谷1-4-2新勝雪谷ビル4階)
定員:8名(満席になり次第締め切り)
参加費:2000円(お茶菓子付き)
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