「オペレーションZ」を読みました。
2017年に発売された同作。が文庫化され、2月に発売されたものです。
フィクションとノンフィクションのハイブリッドの様なストーリーで面白かったのですが、日本が置かれている状況について問題を提起する意味で興味深い内容でした。。
現実に、日本の財政収支は毎年赤字を増やしており、現在日本政府の借金は1000兆円を超えています。
日本の令和2年度の国家予算は102兆6580億円。そのうち32兆5562億円を国債の発行、すなわち借金で賄う計画です。
下図を見てもわかるように日本政府の借入である「国債」の残高は特に平成に入って以降急激に増加しています。
出展:財務省 財政に関する資料「公債残高の累積」より
普通国債の残高は上図の通り897億円。これに地方債、一般会計借入金、交付税特別会計借入金を合わせたものが「一般的な政策経費から発生し た長期債務を集計したもの」が「 国と地方の公債等残高」とされ、その合計は。令和元年度末の見込みで1082兆円に達しています。
日本の国債を保有しているのは日銀や日本の金融機関や年金機構などの機関投資家が中心。
海外の保有者は約7.6%であるため、ギリシャなどで問題になったデフォルト(元本や利払いの支払いを遅延したり、停止したりしたあげく、元本の償還が不能となりかねない状況)にはならない、とも言われています。
しかし、累積残高約1000兆円のうち、海外の保有者は7.6%とはいえ約76兆円に上ります。
もし何らかのきっかけで海外保有者が日本国債の売却をしようと考えれば大変なことになります。
また、今のコロナウイルス関連の影響が拡大すると、資金繰りに苦しむ企業などの倒産によって金融機関の貸し倒れリスクも拡大する恐れがあります。志望者が大きく増えるようなことがあれば生命保険会社の保険金支払い原資が必要になる可能性もあります。国債を保有している金融機関などで急激に資金需要が増大した結果として存続危機に発展した場合などには国債売却による資金調達ニーズが増大する可能性もあるのではないかと懸念されます。
金融機関などが保有している国債の購入原資は国民の預貯金や企業の内部留保などです。
もし、国債がデフォルトを起こすようなことがあれば、多くの金融機関が資金繰りに困窮し、大混乱になります。
コロナウイルス対策で108兆円もの大規模な経済対策を打ち出した政府。
借金まみれではあるものの、ここは覚悟を決めるしかないタイミングだったとも言えます。
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