東京XTREME WALK 42.195 参戦記
(長文です)
先日、ここでも予告していたように 10月14日(木)に東京エクストリームウォーク42.195 OVER NIGHT」に参加しました。
その記録、感想、反省点を記録もかねて残しておこうと思います。
東京XTREME WALK 42.195 OVER NIGHTとは
朝日新聞社とアールビーズが主催する「東京エクストリームウォーク」。
以前には小田原城址公園から東京・築地の朝日新聞社本社まで歩く「東京エクストリームウォーク100」が2回行われています。
今回は「42.195」の表記通り距離はフルマラソンと同じ42.195km。コースは東京オリンピックのマラソンコース。(残念ながら札幌開催になってしまいましたが)
昨年、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)がこのコースで開催され、男子では中村匠吾選手、服部勇馬選手がオリンピック代表を決め、大迫傑選手との終盤のデッドヒートが印象に残っている人も多いでしょう。
とはいえ、コロナウイルスの影響でなかなかリアルでの大会開催が難しいご時世。
今回はスマートフォンに指定のアプリをインストールし、9月18日から10月31日までの間の任意の日程で参加できるルールになっています。
途中、指定のチェックポイントで証拠写真を撮り、アプリでアップロードしながらゴールを目指します。
スタート時間は19:00以降。翌朝5:00までの10時間以内にゴールする必要があります。
単純に考えれば42.195kmを10時間なので、途中信号などで足止めになることを考えても12分/km=時速5kmで歩けば9時間弱。
決してルーズな時間設定ではないけれど、完歩(走るのは禁止ですので「完歩」ではありません)はそう難しくはないだろうと思っていました。(後で甘かったことに気づくのですが…)
いよいよスタート
今回、私は大学時代の同期に誘われ、3人で参加しました。
スタート・ゴール地点は神宮外苑のいちょう並木。
18:00過ぎにすぐ近くのハンバーガーショップで同行者と待ち合わせ、19:00にスタート地点に移動。
アプリを起動して…と思ったら、アプリでのスタート設定にちょっと手間取り、19:04分にスタート。 (もうちょっと余裕をもってスタート地点でアプリを準備しておくべきでした)
神宮球場の横を抜けるとすぐ国立競技場が見えてきます。
あまり事前のコースチェックをしていなかったのが失敗でした。国立競技場は6つ目、つまりゴール前最後のチェックポイント。
ところが、我々はそこを最初のチェックポイントと勘違いしてチェックインしてしまいました。
あとから気付いたのですが一度チェックインするとやり直せないようで…
トラブル発生!
外苑西通りから富久町西交差点で右に曲がり靖国通りへ。市ヶ谷からは外堀通りを進み、飯田橋を抜けていきます。
飯田橋を過ぎたところで3人の共通の友人に遭遇!なんと奇遇な。
Facebookに状況をアップしていたのを見たその友達は近いなぁとは思っていたようです。応援を受け元気をもらいました!
間もなく水道橋に差し掛かろうとするとき、大トラブルが発生。
なんと自分のシューズの底がべりっと剥がれてしまったのです…
これも自分の甘さが災いしました。
しばらく履いていなかった使い古しのシューズを「今日歩き終わったら捨てよう」と思ってチョイスしていました。
「走るわけではないので、そんなにシューズに負担がかかるわけでもないだろうし」とも考えました。
不幸中の幸いで5、600m進んだ水道橋駅近くのコンビニで瞬間接着剤を調達し応急処置。 もしこれが途中にコンビニなどないマラソン大会や登山だったらと思うとゾッとします。
(その後歩いている間ずっと不安はありましたが、何とかゴールまで剥がれずに保ちました。アロンアルファは偉大です)
気を取り直して日本橋を目指す
水道橋の交差点を右へ曲がり白山通りへ。神保町を左へ曲がり再び靖国通り、神田須田町を右に曲がり中央通りへ入ります。
本来最初のチェックポイントである日本橋の橋の上でチェックイン。
この時点での通貨時刻は21:31。
歩いている最中に気づいたことですが、今回の東京エクストリームウォーク42.195は紙などのコースマップがなく、途中にエイドなどもありません。
コース途中のチェックポイントがスタートから何km地点なのかを把握する方法がないのです。
後で調べたら、日本橋は約10km地点。スタートから約2時間半で10kmですので、時速4kmのペースです。
これでは間に合わないということになりますが、この時はそんな心配も全くしていませんでした。
普段、マラソン大会などではちゃんと大会主催者側から提供される資料にそうしたデータはありますし、コース内に距離表示があります。
今回のように提供される情報が少ない中では事前のリサーチが重要なことを改めて感じました。
日本橋から浅草・雷門へ
日本橋の交差点から永代通りへ入り、茅場町交差点から新大橋通りへ。
このあたりは以前の仕事で良く通ったところ。
懐かしく思いつつ、途中見覚えのあるビルがなくなって新しいビルが建っていたり、建設中だったり。
この5年でもずいぶん景色が変わりました。
清州橋通り、清杉通りを経由して江戸通りに入り、浅草橋を通過して浅草に向かいます。
マラソンでは車道を交通規制して進みますが、今回は歩行者。
途中歩道がないところは横断歩道を渡って、反対側の歩道に移り、また元の歩道に戻る。
その間信号待ちなどもありロスタイムが発生、歩く距離も少しづつ遠回りになります。
浅草雷門に到着し、2つ目のチェックイン。
この時点で時刻は22:50。スタートから3時間50分。15km地点なので、平均時速約3.9km/h。
完走ギリギリのペースは平均4.2km/hなので遅れていることになります。
まだ気づいていませんが。 ライトアップされた隅田川の橋がきれいでしばし休憩。(こんなことしてる場合じゃありませんでした。)
GPSウォッチの距離をみて大まかに距離を把握していたのですが、どうも少しずつ実際の距離よりも計測距離が長めに出ていたようで、それも残り時間と距離を読み誤る一因になってしまいました。 この時点ではまだ「いいペースで来ている」と勝手に思い込んでいました。
(GPSウォッチではゴールした時点で50kmを超えていました)
浅草から銀座へ
今回のコース、ほとんどの部分を必ず2度通ります。浅草から来た道を引き返し再び日本橋の交差点へ。
ここから左折し、銀座方面に向かいます。
夜の街は人通りは少ないものの車は結構走っています。
オフィスビルの電気はところどころ灯っていて「こんな時間でも仕事している人がいるんだなぁ」と思いつつ銀座4丁目交差点に到着。
銀座4丁目交差点が3つ目のチェックポイントです。
時刻は0:33。スタートから5時間33分。距離は約20km地点。平均時速3.6km/h。
全然ペースがダメダメです。
(まだ遅れていることに気づいていません。それどころか、歩いているときは結構いいペースで歩いていたので、余裕と思っていました)
銀座から芝公園へ 中央通りをそのまま進み、新橋で左折して外堀通り、西新橋を右折して日比谷通りに入ります。
このあたりで「小腹が空いたなぁ」と感じていたところ、道の反対側に「鶏白湯麺」の店を発見。
こんな時間でもやってるのはすごいな、と思うと同時に食べたくなってしまいました。
芝公園のチェックポイント。
時刻は1:14。スタートから6時間14分。距離は約24km。(平均速度約3.9km/h)
芝公園から二重橋前へ
次のチェックポイントは二重橋前。地図で見るとすぐ近くなのにコースは大きく遠回りします。
まだ、ペースが遅れていることに気づかないばかりか、この時点でも「間に合わない」などということは想定すらしていない状態。
再びさっき見つけた「鶏白湯麺」の店の前。
あまりにおいしそうだったのでついうっかり暖簾をくぐってしまいました。
(約25分ほどのロスタイムか)
エネルギーチャージを終え、再び中央通りに入ると日本橋を通過し神田須田町まで、そこから靖国通りを経て神保町の交差点を皇居方面へ左折。皇居に出たら再び左折。竹橋を経由して二重橋前まで皇居のお堀沿いを歩きます。
コース途中、雷門前や芝公園、その他でも何度か見かけたおそらく同じイベントに参加していると思われる女性。
竹橋の駅のそばですれ違いました。これからチェックポイントに向かう我々とは後でコースマップをチェックしたところ、2kmくらい差がついていたことになると思います。
二重橋前に到着しましたが、チェックポイントがなかなか見つからない。
アプリはチェックポイントに近づくと写真が撮れるようになりますが、この時は「チェックポイントに近づいてください」の表示が出たまま、なかなか撮影可能な状態に切り替わりませんでした。
コースから少し外れ、二重橋に近づいたところでやっとチェックイン。
時刻は3:36。スタートから8時間36分。約33km地点。(平均時速約3.8km/h)
この時点でもまだペースが遅れていることに気づいていません…(-_-;)
二重橋からゴールへ
来た道を戻りゴールを目指します。
気候も良く、あまり寒さは感じませんでしたが、さすがに時間も時間なので少し涼しくなってきました。
水道橋で靴底が剥がれたのももう8時間以上前。
飯田橋に近づき「友達と会ったのはこのあたり」と思ったとき、そういえばここで一緒に写真を撮ったなと思い出し、その撮影時刻を確認。
スタートから1時間20分後に写真を撮っていましたが、タイムリミットまではあと40分余り。
ということは…この時点で初めて間に合わないことに気づきました。
走るのは禁止なのでペースを上げるわけにもいかず。そもそも足の疲れはかなり貯まっており、ペースを上げるのも難しい状態。
とにかくゴールを目指そうということになり、時間切れでも完歩すると決意。
国立競技場前のチェックポイントまで来た時にはすでに時間切れ。
再度チェックインを試みるもチェックインできず。
ゴールのいちょう並木についたのは5:37分。37分オーバーでのゴールとなりました。
まとめと反省
まず、このコースを歩いて10時間でゴールするのはかなり厳しいということがわかりました。
途中何度となくロスタイムがありましたが、その分を差し引いてもおそらくギリギリ。
信号待ちなどのロスタイムもかなり大きいと思います。
最初から心して臨まないと時間内に最後まで歩ききれません。
事前にコースチェックをしておくべきでした。
特にどの場所が何km地点なのかは事前に調べておき、その地点を通過した時点での経過時間やペースを把握する必要がありました。
私ともう一人の男性は過去にウルトラマラソンに参戦・完走したことがあります。
そうしたレースの時にはあらかじめコースマップなども渡され、ペース配分について事前に計画しますが、今回3人だったこともあり、全員が「まあ、何とかなるだろう」と考え、そうした事前計画を怠ったのも敗因と言えそうです。
今回我々は3人で歩きましたので、途中ずっと会話しながら歩くことができました。
こうしたコロナ禍でなかなか人とゆっくり話をする機会も少ない中、10時間余りもお話ししながら歩けたのは楽しい経験でした。
楽しかったからいいか。
一人だったら心細かったと思います。
マラソン大会などでは他のも多くのランナーがいますが、今回はほとんど他に参加者はいない状態。
治安のよい東京ですので身の危険を感じることはありませんでしたが、夜道をひとりで歩くのはちょっと怖いと感じる人もいそうです。(トレイルランニングではあり得る話ですが)
このところ、あまりトレーニングもできておらず、がっつり筋肉痛になりました。
しかも夜通し歩けば身体はボロボロです。
以前に参加した東京エクストリームウォーク100の時もそうでしたが、今回も走っているときはできることの無い踵にまめができました。
23時間近く歩いた東京エクストリームウォーク100に比べると睡魔はさほど気になりませんでした。
私は30km付近から両太ももから足の付け根にかけて筋肉疲労が溜まり、終盤は腰まで痛くなりました。
同行者の女性は足裏に疲労がだいぶ溜まっていたようです。
さすがに10時間余りも歩けばそうなります。
走るのと歩くのでは使う筋肉が少し違います。
走っているときには気にならないところにも疲労が溜まったりします。
ゴールは早朝ですので、ゴールの祝杯(時間オーバーでしたが)も後日にお預け。
当日はその場で解散になりました。
帰宅後、私は昼まで泥のように眠り、午後から仕事に復帰しました。
同行者の女性は在宅勤務ではあるものの8:00から会議とのことで、タクシーで帰宅しました。
もう一人の男性はその翌日(つまり今日)ゴルフに行くとのことでしたが、果たしてどうなっていることやら。
私は機会があればまたやりたいと思います。
他の2人はどうでしょう。
結構ハードです。
ハードだからこそ達成感があります。
あと半月ぐらい残っている大会期間。これから歩く方もいらっしゃるでしょう。
この記録が参考になれば幸いです。
さあ、仕事しよ。
(参考資料)
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